2008年11月29日土曜日

2008年サイエンスアゴラWS報告。

生物の小寺です。
サイエンスアゴラから一週間、0to1が主催いたしましたワークショップ
「動き出した2つの輪:"科学者コミュニケーション"の未来図」
無事終了いたしました。


詳しい報告は別にまとめる予定ですが、まずは簡単なご報告をさせて頂きます。


日時:11月22日(土) 13:00-14:10
会場:日本科学未来館 7F 会議室1
内容:0to1の活動の柱には「2つの輪」があります。
科学者同士の輪、科学と社会の輪です。
科学者が行うコミュニケーション活動とは? なぜ私たちは活動するのか? 
0to1の活動の現場を紹介しつつ、来場の皆様と考えていきます。
登壇者:小寺 千絵 氏(東京大学大学院 理学系研究科)、音野 瑛俊 氏(東京大学大学院 理学系研究科)、横山 広美 氏(東京大学大学院 理学系研究科 准教授)




13時からのワークショップ、はじめはやや人が少な目かな?と思ったのですが、続々人が増え、用意した椅子はほぼ埋まった模様。皆さま、ご来場ありがとうございました。




はじめに、グループ代表兼本ワークショップの企画責任者のわたくし、小寺から、0to1の紹介とワークショップの趣旨説明をさせて頂きました。


理学系の大学院生を中心としたグループであること、
より良い未来を目指して「2つの輪」を軸とした活動を行っていること。
科学者自身が行う分野間交流およびアウトリーチ"科学者コミュニケーション"
を根付かせたいと考えていることなどをお話いたしました。


続いて、ランチセミナー、出張授業、ポッドキャストの各プロジェクトリーダーより、プロジェクトを起こした動機、活動の実際や得られたもの、感じたことなどを含めたプロジェクト紹介を行いました。
#それぞれのプロジェクトページは0to1webページにございます。
#どうぞご覧ください。


その後、さらに2+1名の0to1メンバーを投入し、パネルディスカッションへと突入しました(1名はファシリテイター、パネリストは計5名)。


パネルディスカッションのメインテーマは、ずばり、
「大学院生がこんなことやっていて良いのか??」




我々大学院生のおかれている状況というのは、けっして楽観できるものではありません。アウトリーチにかける労力を、もっと研究に回せるのではないか?また、未熟な学生の活動が問題を起こした場合、誰が責任を取れるのか?かける労力と得られる成果、リスクマネジメントなど、様々な視点から議論を行いました。


大学院生が活動することに賛成ですか?とフロアに問いかけると、ほぼ満場一致で賛成。実は、これには我々が驚きました。少なからぬメンバーのこれまでの実感とは異なるものであったのです。アゴラならでは、の反応であったのかもしれません。


フロアからあがった声と、それに対するメンバー達の回答や感想をいくつかご紹介させていただきます。実際にアウトリーチに関わっている学生や、大学教員の方など、様々な方からのご意見を伺いました。


・(アウトリーチの際)東大生ということばかり注目されたりはしないのか?
→たとえそれが入り口でも、出口までにサイエンスの魅力を感じてもらえれば。
・実績が大事、皆きちんと学位を取ること!
→一同深く頷きます。
・(責任問題などの観点で)大学院生だからやっていけないというものはない。
ただ、立場を明確にすること。
・学生だけで教科書を書いたって悪くは無い。
→目からうろこでした。
・これからはどんどん分野間交流は求められていくだろう。
・研究者は100%研究に没頭すべきという葛藤もある。




語りつくせないことはまだまだあったのですが、時間内に収めるために、最後、パネリスト達からの科学者コミュニケーションの未来図は一言ずつ。


小寺の総括および、スーパーバイザー横山からのご挨拶で締めさせて頂きました。




終了後も、たくさんの方にお声をかけて頂きました。


ご来場くださった方の中では、大学院生がこうした活動に携わることに大きな疑問をお持ちの方はいらっしゃらない様子でした。しかし、あの小さな空間の中での議論で満足するのではなく、次に進んでいくために、私達はどうあるべきなのか、今一度考える必要も感じました。




ワークショップでの議論の詳しいご紹介や報告は、改めて行いたいと考えています。
ご来場くださった方々、ご意見を下さった方々、まことにありがとうございました。





ワークショップ終了後、未来館前にて。

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